チタンアルミナイド、軽量さと高い強度、耐熱性を持つ夢の金属?!

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チタンアルミナイド(TiAl)という金属を聞いたことはありますか?新合金で、「夢の」???新金属らしいですが、詳しく解説してみます。

チタンアルミナイド(TiAl)は、チタンとアルミニウムを主成分とする金属間化合物で、軽量さと高い強度、耐熱性を持っています。航空宇宙産業や自動車産業などで使用されています。

TiAlはチタン(Ti)とアルミニウム(Al)の合金で、特に「γ-TiAl(ガンマ・チタンアルミナイド)」が有名とのことです。TiAlをベースとした合金の開発は1970年頃に始まったようですが、実用化に至ったのは2000年頃です。

高温に強く、軽量で、耐酸化性もあるという特徴があり、ジェットエンジンや自動車のターボチャージャーなどに使われています。

チタンアルミナイドとアルミニウムの特徴・性能比較

特性チタンアルミナイドアルミニウム(汎用合金)
比重約3.9~4.2約2.7(軽い)
融点約1460℃約660℃
強度(常温)高い(400~800 MPa)中~高(100~500 MPa)
耐熱性800~1000℃でも使用可限界は200~300℃程度
耐酸化性高温酸化に強い高温で酸化しやすい
延性・加工性悪い(脆い)良好(延ばしやすい)
価格非常に高価(チタン以上)安価(銅より安い)

チタンアルミナイドの価格と経済性

チタン自体が高価であり、さらに、チタンアルミナイドは製造プロセスが特殊で加工が難しい材料であるために、価格はかなり高くなります。

参考値(目安)

アルミ合金:数百円/kg

TiAl合金:数千~数万円/kg(用途・グレードによる)

現状では特殊な部品などの高性能が求められる部品に限定的に使用されています。

圧延や加工について(TiAlとアルミの違い)

アルミ合金は熱間・冷間圧延どちらも可能で、板・箔・棒など広く圧延加工されますが、チタンアルミナイドは、非常に脆くて、割れやすいために、圧延加工が難しいのが現状です。鍛造や粉末冶金が用いられることが多くなっています。

最近では、電子ビーム溶融や3Dプリンティングなどの先端加工技術の導入がすすんでいます。

チタンアルミナイドの用途と今後の可能性

医療・エネルギーにおいては、今後の研究次第で高耐熱・高性能部品への応用が期待されており、航空宇宙では、ジェットエンジンのタービンブレード、排気部品などに採用の予定があるようです。自動車では、ターボチャージャーの羽根車などにも採用の可能性があります。

まとめ

チタンアルミナイド(TiAl)は、高性能だけど高コストということになります。特に耐熱性・酸化耐性においては、アルミより圧倒的に高性能ですが、圧延などの加工が難しく高価なためい用途は限定的です。

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