アルミ製品の販売価格はどうして決まるの?アルミの地金の値段との関連は?

アルミ板 解説

アルミニウム製品や部品は、たとえば飲料缶、自動車、鉄道車両や航空機の部品、建築材料、建築製品などがありますが、我々の身の回りにあるアルミ製品の販売価格の決まる要因や仕組みについて詳しく解説します。

アルミ地金の値段

アルミ製品の価格を決める基本的な要因のひとつに、アルミ地金の値段があります。

アルミ地金は、ボーキサイトを精錬して作られる純アルミニウムのことで、主としてロンドン金属取引所(LME)などの国際市場で価格が決まります

LME価格は需給バランスや経済情勢、原材料であるボーキサイトや電力コストの変動に影響を受けます

世界経済などによって、アルミの需要と供給は変化しています。需要が供給を上回れば価格は上昇して供給が需要を上回れば価格は下落します。

アルミニウムの精錬には大量の電力が必要となるのでエネルギー価格の変動は地金の生産コストに影響をあたえます

為替レートの変動はアルミ地金などの輸入価格に影響を与えます。アルミの商品市場には、将来の価格変動を見込んで投資する資金が流入することがあるので、その動向が価格に影響を与えることがあります。

日本国内ではプレミアム価格(国内プレミアム)を設定し、それが輸入価格の基準となります。

アルミプレミアム価格

アルミのプレミアム価格とは、日本向けのアルミ新地金の割増金のことで、アルミ地金を調達する時に支払われます。国際指標であるロンドン金属取引所(LME)のアルミ地金価格に上乗せして支払われます。

アルミプレミアムの仕組みは、運賃や手数料、地域の需給状況によって四半期ごとに交渉で決まっていますが、新地金を扱う商社や圧延メーカーなどからヒアリングして改訂されています。

アルミ圧延メーカーのロールマージンの値段

アルミ地金を加工して、アルミシートやアルミコイルなどの圧延製品にする工程で、アルミ圧延メーカーが設定するロールマージン(加工賃)が加わりますロールマージンは、工場などの設備投資費用、労働コスト、エネルギーコスト(電力・燃料)、需給バランスなどによって決まります

エネルギーコストが大きな割合を占めるており、原油価格や電力料金の変動がロールマージンに影響を与えています。

また、需要が高い場合はロールマージンが上昇して需要が低迷すると価格が下がることもあります。

アルミ製品メーカーの加工賃

アルミ圧延メーカーから仕入れたアルミの材料を、最終製品へと加工するメーカーは、さらに加工賃を上乗せすることになります。加工賃は、加工方法(切削・プレス・溶接・表面処理など)、設備投資費用、金型費用、人件費、工場の運営コストなどによって変わってきます

高度な精密加工を必要とする航空機部品や電子部品は、加工賃が高くなります。アルマイト加工などの表面処理をする追加のコストも発生することもあります。

地金、ロールマージン、加工賃の関係

アルミ製品の最終価格は、アルミ地金価格 + ロールマージン + 加工賃の合計で決まります。

LMEのアルミ地金価格が上がれば、材料コストが上がって製品価格も上がりますし、ロールマージンが上がれば、圧延製品の価格が上がり、最終製品のコストも増加することになります。

アルミ製品の販売価格は、アルミ地金の値段を基本にして圧延メーカーのロールマージンと製品メーカーの溶接や組み立てなどの加工賃が加算されて決まります。

アルミ地金の値段は世界的な要因で変動しているためにアルミ製品の価格もその影響を受けることになります。

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