アルミニウムのリサイクルやスクラップとスクラップの買取価格などについて詳しく解説します。アルミは圧延メーカーで製造されて販売・出荷されたあと、加工メーカー(サッシ工場や製缶工場)で加工されて消費されますが、そのあとリサイクルされて、再度圧延されるのが一般的です。他の金属に比べてその割合、リサイクル率は非常に高くなっています。
アルミのリサイクル
アルミは融点が低いので溶解してリサイクルすることができます。アルミ缶のリサイクル率は非常に高くて、2024年現在では95%となっています。
アルミは酸素と強く結合しているので電気分解で金属にするために多くの電力が必要になります。
アルミはボーキサイトから生産されて大量の電力を使います。1トンのアルミをつくるには、約15,000kwhの電力が必要になります。
アルミ以外で銅や亜鉛を1トンを生産するために消費される電力は次の通りです
銅で約1,200kwh
亜鉛で4,000kwh
アルミニウムの精錬には銅の約11倍、亜鉛の約3.5倍の電力が必要となります。
ところが、アルミニウムの再利用に必要なエネルギーは、アルミの新地金をつくるエネルギーの約3%となっています。
アルミはさびにくいので、いらなくなったアルミニウムを集めて高温で溶かしてから、ふたたび鋳型に鋳込んで新しい地金にすることができます。
アルミニウムの融点は、約660℃と低いので、溶かすエネルギーも少なくてすみます。
アルミニウムスクラップ
- アルミには次のようなメリットがあります
- 軽量で丈夫
- 耐食性に優れている(錆びない)
- 加工しやすくリサイクルが簡単
- 熱や電気を伝えやすい
- 磁気を帯びない
アルミはこのような利点があるので金属の中でもっともリサイクルがすすんでいます。アルミ缶のリサイクル率は95パーセントにもなっていることから、アルミは「リサイクルの優等生」と言われています。
アルミニウムの再利用について
アルミは、ボーキサイト鉱石を原料としてホール・エルー法で生産されます。
ホール・エルー法は、実用化されているアルミニウムの製錬方法です。溶融させた原料を電気分解させることで目的の物質を得る溶融塩電解です。
1886年にアメリカのチャールズ・マーティン・ホールとフランスのポール・エルーによりそれぞれ開発されました。
ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理して、アルミナ(酸化アルミニウム)を取り出して、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム、Na3AlF6)とともに溶融し電気分解します。
アルミをつくるには大量の電力が消費されることから「電気の缶詰」と呼ばれることもあります。ホール・エルー法の純度は約98パーセントなので、より高純度なアルミを得るには三層電解法を行います。
電力価格が高いので、日本国内のアルミニウム精錬は、オイルショック後採算が困難になって国内からは撤退しました。
ボーキサイトからアルミニウムを精練するのに比べて、リサイクルして地金をつくる方がコストやエネルギーが少なく済みます。
アルミニウム屑を溶解するには、融点が約660℃と銅や鉄などの金属の中では低くて、少ないエネルギーで行うことができます。
ボーキサイトからアルミニウム地金を生産するのに比べて、アルミ缶からアルミニウム地金を生産するのはわずか3パーセントの電力消費で済みます。

アルミスクラップ買取
買取の分類としては多くの場合、アルミ2S、アルミ63s、アルミダライ粉、アルミナベ、アルミビス付サッシ、アルミ印刷版、アルミ缶、アルミ機械コロ、アルミ合金、アルミ合金1品物、アルミ新コロ、クラッド材、鉄付ラジエターなどとなっています。
アルミガラ
200円/kg程度です。
アルミサッシやアルミコロなど(ネジなどアルミ以外の金属が少量ある場合など)はアルミガラになります。
アルミ製のフライパンや鍋(持ち手付き含む)、梯子、脚立などもアルミガラとなります。
アルミサッシの場合付き物が多いものと網戸の網付きは別品目での買取となる場合があります。
アルミサッシは、鉄、ビス、プラ、網、塗装、シール、ゴムなどの付き物がないものが買取対象となってることが多くあります。
アルミ雑品
100円/kg程度です。
鍋ややかんなどアルミ以外にプラスチックや木などの取っ手がついているものはアルミ雑品になります。
アルミホイール
200円/kg程度です。
自動車用のアルミホイールが買取対象となります。トラック、バイク用は別品目での買取となる場合があります。
アルミ缶
50円/kg程度です。
缶ジュース、缶ビールなどの飲料空き缶はアルミ缶として買取されます。スチール缶、ペットボトルを混在させてないようにします。
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