アルミニウムの世界の販売量と消費量についてアルミの生産などから解説します。
アルミは板に限らず管・棒・形材、鋳物(鋳鍛)も含むすべてのアルミの話です。
アルミの生産
アルミは、ボーキサイト鉱石を原料として一般的生産されています。
ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理して、アルミナ(酸化アルミニウム)を取り出して、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム、Na3AlF6)といっしょに溶融して電気分解します。
アルミを生産するには大量の電力が必要となります。
アルミ1トンを生産するのに使われるる、材料や電力は次のとおりです
ボーキサイト4トン
氷晶石 0.07トン
炭素陽極 0.5トン
電力 14メガワット
日本のアルミニウム製錬事業は、日本では諸外国に比べて電力の価格が高いためにコスト競争に弱く、オイルショック後は採算が悪くなってしまい撤退しました。今では全量輸入に頼っています。
アルミニウムの生産量は2010年代に5000万トン弱となりました。その内、中国が約4割を生産して、ロシアとカナダを加えた3か国で生産量の5割以上を占めています。
中国やロシアはボーキサイトの原産国でもあります。ボーキサイトの原産国は、アメリカ、オーストラリア、ブラジルやインドも世界の生産量の10位以内になっています。
アルミ製錬工場は電力供給が重要なエネルギー源となっています。アルミニウムは製錬に多くの電力を消費するために、ボーキサイトからの精練は電力の安い国で行われるようになっています。
カナダやノルウェーは水力発電が盛んで、アイスランドは水力発電と地熱発電によって電力が安いためにアルミニウムの生産国の代表国となっています。

アルミの消費や販売
アルミニウムの販売と消費量は中国がトップの量となっています。世界の生産量5000万トンの半分を販売・消費しています。
次いでアメリカが多くて、ドイツと日本がそれに続いています。ドイツと日本は、自動車の2大生産国でもあります。自動車の部品の多くは、アルミを多用しています。
アルミを生産する企業としては、カナダのアルキャン、ロシアのルサール(ロシア・アルミニウム)、アメリカのアルコア、中国の中国アルミニウムなどが有名な企業です。
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