大口ヒモ付きアルミ地金価格について仕組みから影響まで詳しく解説

解説

大口ヒモ付きアルミ地金価格とは

大口ヒモ付きアルミ地金価格とは、国内のアルミニウム市場において、製錬メーカーや商社(売り手)と、大規模な需要家である加工メーカー(買い手)との間で合意される取引価格のことです。

「ヒモ付き」という意味は、特定の需要家と供給者の間で「紐付けられた」長期的な契約があることを意味します。日本のアルミ価格の指標となる重要な基準であり、主にサッシなどの建材、自動車部品、飲料缶などの材料となるアルミ板や押出製品の価格決定に関係してきます。

大口ヒモ付きアルミ地金価格は、次の2つの要素を合計して算出されるのが一般的です。
国際的なアルミ相場の指標であるLME(ロンドン金属取引所)価格
日本への運賃や保険料、地域的な需給を反映した上乗せ幅である対日プレミアム(実費・諸掛り)

LME(London Metal Exchange:ロンドン金属取引所)とは、英国ロンドンにある世界最大規模の非鉄金属専門の先物取引所です。銅、亜鉛、鉛、ニッケル、スズ、アルミニウムなどの金属が上場されており、その取引価格は非鉄金属相場の国際的な指標となり、世界の金属市場に大きな影響を与えています。

大口ヒモ付きアルミ地金価格が決まるプロセス

大口ヒモ付き価格は、市場で勝手に決まるものではなく、四半期(3ヶ月)ごとに売り手と買い手の交渉によって決定されます。

LME価格の確定

ベースとなるのは、世界共通の指標であるLME価格です。通常、価格適用期間の「前々月、前月、当月」の3ヶ月間の平均値などが採用されます。

対日プレミアム(MJP)の交渉

「対日プレミアム(Main Japanese Port Premium)」の交渉が最も重要なプロセスです。海外の製錬メーカーと日本の商社・加工メーカーが、日本着の運賃やアジア圏の需給バランスを考慮して、1トンあたり何ドル上乗せするかを話し合います。

為替レートの適用

LME価格とプレミアムは「米ドル」で決まるため、これを日本円に換算します。この際、銀行が公示する「TTS(対顧客電信売相場)」などの平均レートが用いられます。

四半期ごとの改定

日本では、「1-3月期」「4-6月期」「7-9月期」「10-12月期」というサイクルで価格が見直されます。この「スライド制」により、原材料費の変動を製品価格へ段階的に反映させる仕組みになっています。

大口ヒモ付きアルミ地金価格の影響

この価格が変動すると、サプライチェーン全体に多大な影響を及ぼします。

製造コストへの直接的な波及

アルミは電気の缶詰と呼ばれるほど製造にエネルギーが必要であり、原材料費の比率が高い金属です。大口ヒモ付き価格が上昇すれば、アルミ板、箔、押出材、鋳物などの中間製品の販売価格が即座に引き上げられます。

最終製品の価格転嫁

  • 自動車産業: 軽量化のためにアルミ使用量が増えており、車体の製造コストに直結します。
  • 飲料メーカー: アルミ缶の調達コストが変動し、飲料の卸価格に影響します。
  • 住宅・建設: アルミサッシや外壁材の価格が変動し、建築見積もりに反映されます。

企業の業績と在庫評価

価格が急騰すると、低価格で仕入れていた在庫の価値が上がる「在庫評価益」が出る一方、急落時には「在庫評価損」が発生し、企業の決算を左右することがあります。

コメント