アルミホイルで歯を白くするって安全なの?効果は?危険はないの大丈夫?

アルミホイル 解説

「アルミホイルで歯を白くできるのか?」という質問が一般の方からありましたので、調べました。結論としては、アルミホイル(アルミ箔)を使った歯のホワイトニングは、科学的根拠がなく、安全性にも問題があるようです。歯を白くしたい場合は、歯医者さんでホワイトニングを施術するか、市販の研磨剤の少ない美白歯磨き粉を使うようにしたほうがよいようです。それでは詳しく解説します。

基本的にはインターネット上で広まった話は民間療法であり、歯科医療の専門家による推奨や科学的な裏付けはありません。

アルミニウムの圧延で製造されたアルミホイル(アルミ箔)は食品の保存や調理に使われる場合には安全ですが、人体への特定の用途においては慎重な検討が必要です。特に酸性の物質と組み合わせて長時間密閉状態にするのは好ましくありません。

アルミニウムの圧延とは、回転するロール(ローラー)の間にアルミニウムの塊(スラブ)を通して、ローラーで圧力をかけて薄く延ばす加工法です。この加工によってアルミ箔、板材やコイル材が製造され、缶、建材、自動車部品、家電製品など、さまざまな製品に利用されています。アルミホイルは、圧延でいったんアルミの板材にしてさらに圧延を繰り返してアルミ箔にしています。

アルミホイルで歯を白くする方法

インターネットでは「アルミホイルを歯に巻くと白くなる」と紹介されることがありますが、多くの方法は次のような手順のようです。

1.アルミホイルを歯の形に合わせてカットする
2.重曹(炭酸水素ナトリウム)や歯磨き粉を塗る
3.その上からアルミホイルを貼って数分~10数分程度そのままにする

この方法で、アルミホイルが熱を閉じ込めて漂白効果が出るといった説明がなされることもありますが、科学的な根拠はないようです。

安全性

基本的には医学的には推奨されていないようです。

アルミホイルは食品用に安全なアルミニウムから圧延されてつくられていますが、歯や歯茎に長時間触れる用途は、想定されていません。そもそも、口の中に入れることは考えられていませんので、次のようなリスクがあります。

電位差による電流(ガルバニック電流)

金属の詰め物のアマルガムや銀歯などがある場合にアルミと触れると微弱な電流が発生して刺激や痛みが起こることがあります。

歯茎への刺激・炎症

アルミ自体は中性ですが、研磨剤やレモンなどの酸性物質と一緒に使うと、口腔内のPHが下がって粘膜を傷つけるおそれがあります。

アルミの微粒子

アルミ箔を口の中に入れると摩擦や化学反応によって微細なアルミ粒子が発生して口腔内に残ってしまう可能性があります。

効果

アルミホイルそのものには漂白作用も研磨作用もありません。白くなったと感じる場合は、一時的に歯の表面が乾燥し、白っぽく見えたり、重曹などの研磨剤でステインが削れて白く見えるなど錯覚などによるとされています。アルミホイル自体が歯を白くするわけではないと結論がなされています。

歯医者さんの評価

日本歯科医師会や歯科大学の見解でも、アルミホイルを使ったホワイトニング法は推奨されていません

理由は科学的根拠がないこと、歯の表面(エナメル質)を傷つける可能性があること、口腔内の金属修復物と反応して痛みが発生する可能性、長期的に知覚過敏や虫歯リスクを高めるということです。

歯科医院では、過酸化水素や過酸化尿素を安全濃度で使用した医療ホワイトニングが行われており、これを推奨されています

重曹を使うと

重曹(炭酸水素ナトリウム)は弱アルカリ性で、汚れを中和・除去する作用がありますが粒子が粗く、歯磨き粉として使うとエナメル質を傷つけるおそれがありますし、アルミホイルをいっしょに使うと、重曹の水分と金属が反応し微弱な電流が流れて痛みや違和感が出る可能性があります。

レモンを使う?

レモンの酸で歯の汚れを溶かすという話もありますが、これも危険です。レモンに含まれるクエン酸はpHが約2~3と強い酸性で、エナメル質を溶かして、知覚過敏や虫歯を引き起こす可能性がありますし、酸性環境でアルミホイルを使用すると化学反応が起き、アルミイオンが溶出する可能性があります。

重曹や強い酸性のレモン汁などをアルミホイルで密閉すると、化学反応が促進されて歯の表面を覆うエナメル質が溶かされる(酸蝕)危険性が高まります。エナメル質が薄くなると、歯は白くなるどころか、内側の黄色い象牙質が透けて見えやすくなり、かえって黄ばみが目立つことになりかねませんし、虫歯になりやすくなります。

歯科医師の専門家コミュニティでは、この「アルミホイルホワイトニング」は危険な行為として広く認識されており、非推奨されていますので注意が必要です。

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