アルミの傷について傷の消し方などを解説アルミホイールも

アルミ板 解説

アルミニウムは軽くて丈夫な素材ですが、製造過程や使用中にいろいろな種類の傷がつくことがあります。

代表的な傷の種類とその除去方法について詳しく解説します。

アルミの代表的な傷の種類

アルミの製造方法によって、発生しやすい傷の種類は異なります。代表的なものを2つ紹介します。そもそも圧延とか押出は柔らかくなったアルミを擦って整形するので、どうしても傷は発生してしまいます。

圧延材のロールマーク

アルミの圧延は、アルミのインゴットをローラーで薄く引き伸ばして板材にする加工法です。この工程で、圧延ロールの表面に付着した異物や傷が材料の表面に転写されて、規則的な線状の傷として現れることがあります。これをロールマークと呼びます。

押出材のダイスマーク

押出は、加熱したアルミの塊であるビレットにを金型(ダイス)からところてん方式で押し出して、特定の断面形状の棒やパイプ、建材などを成形する加工法です。

この時に、金型やベアリング部分にできた傷が、押出し方向に沿って線状の細かな凹凸となって製品表面に転写されます。これがダイスマークです。

傷の消し方

アルミの傷を消す方法は、傷の深さや種類、そして最終的な仕上がりの要望によって異なります。ここでは、個人のDIYでもできる方法から、専門的な処理までを解説します。

研磨

最も一般的な方法で、浅い傷や軽度のロールマーク、ダイスマークに有効です。

コンパウンド(研磨剤)

浅い擦り傷や汚れには、アルミ用のコンパウンドが効果的です。柔らかい布やスポンジに適量をつけ、傷の部分を円を描くように優しく磨きます。

サンドペーパー

少し深い傷には、耐水サンドペーパーを使います。まず粗い番手(400番など)で傷のバリを取り除き、徐々に細かい番手(800番、1500番~)に変えて磨き、表面を滑らかにしていきます。

この時、傷と同じ方向に研磨することで、ヘアライン加工のような仕上がりになり、傷を目立たなくさせる効果もあります。

化学研磨・電解研磨

ダイスマークのように、表面全体に均一に現れた細かい傷を目立たなくさせるには、化学的な処理が有効です。

マット処理(梨地処理)

ダイスマークは、アルマイト処理などの表面処理を行うとより目立つことがあります。このため、アルマイト処理の前に特殊なアルカリ性または酸性の薬品でエッチング(溶解)し、表面を均一な梨地状(つや消し)にすることでダイスマークをほとんど目立たなくさせます。

電解研磨

電解研磨は、電気分解の原理を利用してアルミの表面を溶解させ、滑らかで光沢のある表面を作り出す方法です。これによって微細な傷を消して鏡面のような美しい仕上がりにすることができます。

パテや補修ペン、スプレー

傷が深く、研磨だけでは消えない場合は、パテや補修材で埋めてから塗装します。

パテ埋め

深い傷やへこみには、アルミ用のパテを使用します。傷口のバリを取り、脱脂処理をしてからパテを充填し、硬化後にサンドペーパーで平らに研磨します。

補修ペン・スプレー

パテ埋めや浅い傷には、アルミサッシ用の補修ペンやスプレーが便利です。重ね塗りすることで傷を隠し、色合いを合わせます。

これらの方法は、傷の種類や深さによって最適なものが異なります。補修する場合は、まず目立たない箇所で試します。

アルミホイールの傷

アルミの傷でも日常生活でおこりやすいアルミホイールの傷について解説します。自動車用品店で修理してもらうこともできますが、自分で修理する方法をご紹介します。

準備するもの

アルミパテ

アルミホイールの修復に適したアルミパテをホームセンターなどで準備します。

耐水サンドペーパー

傷を研磨するために必要な番手を準備します。セット商品も販売されています。研磨パッドも同時に購入するとよいでしょう。

脱脂剤

ホイール表面を脱脂するために準備します。パテが密着するようになります。

マスキングテープ

傷のない周辺部分を保護します。

修理方法

1.下地研磨・脱脂

(1)補修箇所を洗浄して傷の周辺をマスキングします。
(2)荒目の耐水サンドペーパーで研磨して傷の凹凸を整えます。
(3)パテをしっかりと密着させるために脱脂剤を使って周囲の油分を取り除きます。

2.アルミパテ

(1)アルミパテを傷に盛ります。パテは少し多めに盛るようにします。
(2)パテが硬化するまで乾燥させます。
(3)400番から順に番手を上げてサンドペーパーをかけます。
(4)硬化したパテを耐水サンドペーパーで研磨します。徐々に細かい番手を使用して磨きます。

Q&A

まとめを兼ねてQ&Aをつくりました。参考にしてください。

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