エアコンのアルミのフィンの掃除について注意点など解説

アルミ板 解説

エアコンのアルミのフィンは冷房効率などに大きくかかわっています。また、このフィンは薄くて親水処理がしてあるなど微細な加工がされていますので、取り扱いには注意が必要です。

エアコンのフィンについて

エアコンの中には、熱交換器フィンという薄いアルミ製の薄い板が入っています。エアコンのふたを開けると銀色の薄いアルミ板が見えると思うのでご存じと思いますが、このフィンは、冷媒が通る銅管に取り付けられており、室内の空気との熱交換を効率的に行う役割を果たします。

アルミが使用されている理由としては、軽量で熱伝導性が高いためで、冷暖房効率に優れているためです。アルミは加工性にも優れていて、微細なフィン構造を形成しやすいという利点もあります。

アルミニウムのフィンは非常に薄くて、柔らかく、変形しやすいので、取り扱いには注意が必要です。小さな埃やカビが付着すると、空気の流れを阻害して、エアコンの効率が低下する原因になります。

エアコンのフィンの親水処理

家庭用エアコンのアルミフィンには、一般的に親水処理(親水コーティング)が施されています。

フィン表面に特殊な樹脂や酸化皮膜をつくって、水分がフィンに付着したときに水玉ではなくて膜状になって流れるようにする処理をしています。

この親水性によって、結露した水がフィン表面を滑らかに流れ落ちるので埃や汚れを巻き込んで洗い流す効果でエアコンが自己洗浄をさせるためです。

この親水処理は非常に薄く繊細なために、強いアルカリや酸性の洗剤、または硬いブラシなどを使用すると容易に剥がれてしまいます。親水処理が剥がれると、フィン表面に水が残りやすくなり、カビや雑菌が繁殖しやすくなることがあります。

エアコンの冷房運転中、フィンは冷たくなり、空気中の水分が結露して水滴が形成されます。親水処理がされていない場合、水滴はフィンの表面で玉状になって、これが熱交換効率を低下させたり、水滴が飛び散ってカビの原因になったりすることがあります。

親水処理がされているフィンでは、水滴が玉状にならずに薄い膜のように広がるために、次のメリットがあります。

・水がスムーズに排水されやすくなり、フィンに水が溜まるのを防ぎます。

・水の膜が均一に広がって、空気との接触面積を確保し、熱交換効率の低下を防ぎます。

・水が滞留しにくくなって、カビや雑菌の繁殖を抑える効果があります。

この親水処理は非常にデリケートなので掃除には細心の注意が必要です。

エアコンのフィンの掃除

エアコンのフィンの掃除は、冷暖房効率の維持や衛生面で重要です。

1.電源を切り、コンセントを抜きます

感電防止のため、必ず電源をオフにします。

2.フィルターとカバーを外します

エアコンの前面カバーを開け、フィルターを取り外します。

4.専用のフィン用スプレーを使用します

市販されている「アルミフィン用クリーナー」や「エアコン内部洗浄スプレー(中性タイプ)」を使用します。

スプレーをフィン全体に噴霧して、規定の時間放置します。使用前に「親水コート対応」と記載があるか確認します。

5.自然乾燥、または送風運転で乾かします

薬剤が汚れを浮かせた後は、自然乾燥または30分ほど送風運転してフィンを乾かします。

6.フィルターとカバーを戻します

プロによる分解洗浄と比べて簡易的ですが、定期的に行うことでエアコン内部の汚れの蓄積を抑えることができます。

エアコンのフィンの掃除の注意点

アルミのフィン繊細加工された部品なので、フィンを掃除する時は注意が必要です。

ブラシや歯ブラシなどで直接こすらない

フィンは変形しやすく、わずかな変形でも気流が乱れ、効率低下や異音の原因になります。

中性洗剤を使用する

アルカリ性や酸性の洗剤はアルミを腐食させたり、親水処理を剥がしてしまう恐れがあります。pH6~8程度の中性タイプが安全です。

高圧洗浄機は使わない

高圧水でフィンが曲がったり、内部の電装部品に水が入って故障することがあります。

薬剤の放置時間

長時間放置すると親水コートやアルミにダメージを与える可能性があるため、製品に記載された使用時間を守ります。

年に1回はプロによる清掃を検討する

自己清掃では届かない箇所や汚れの除去には、分解洗浄が効果的です。

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