1mmのアルミ板の用途や値段などについて詳しく解説

アルミ板 解説

アルミニウムの圧延された板は耐食性、熱伝導性、非磁性、リサイクル性などから、幅広い分野で活用されています。

その中でも、1mm厚のアルミ板は、薄さ、軽さ、加工性からよく利用されていますので、詳しく解説します。

1mmのアルミ板の用途

1mm厚のアルミ板は、軽量性と加工性に優れた汎用材料として、いろいろな分野で利用されています。

建築・内装

住宅や商業施設の内装パネル、天井材、化粧板などや外壁の一部として使用されるアルミ複合板の表面材として使われています。

天井材、壁材、間仕切り、ルーバーなど。軽量であるため建物への負担が少なくて加工性もよく、様々なデザインに対応できます。耐食性も高くて、長期にわたって美観を保ちます。アルミは耐候性に優れるため、屋外での使用にも適しています。

自動車・輸送

トラックの荷台床面やパネル材、バスや鉄道車両の内装材や仕切板、軽量化のための部品カバーや保護板などとして使われています。

バッテリーケースは電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)のバッテリーを保護するケースの一部ですが、軽量性と強度、そして非磁性という特性で使われています。

電気・電子機器

電子レンジ、PCケースなどの家電製品の筐体カバー、放熱性能を活かしたヒートシンク基材等に使われています。

その他産業用途

看板、案内板、広告パネルなどのサイン用途、工作・DIY素材、模型やホビー用途、厨房機器や食品設備での衛生的なカバー材として使われています。

銘板、ネームプレートでは、加工しやすく、耐食性に優れるため屋外での使用にも適しているためよく利用されています。

1mmのアルミ板の値段

アルミ板の価格は、次の要因によって変動します。

原材料価格・ロンドン金属取引所のLME価格

世界的なアルミ地金相場に左右されますので、為替相場や需給バランスも影響してきます。

合金種・材質

純アルミ(A1050など)よりも、高強度な合金(A5052など)は価格が高めになります。

板のサイズと数量

サイズが大きいほど単価は上がり、ロットが多いほど単価は下がります。数枚程度であれば、基本、大手の圧延メーカーから購入できないので、市中の小口・小ロット対応の商社・アルミセンター・問屋で購入することになりますが、値段は高めになります。

表面処理や加工の有無

アルマイト処理や保護フィルム付き、切断加工付きなどで価格が加算(増値)されます。

1mmのアルミ板の用途別材質

アルミ板はその使用目的に応じて合金種(材質)が決まってきます。

用途分野推奨材質特徴
建築・装飾A1050、A1100純度が高くて光沢に優れる。加工性は良好。
自動車部品A5052、A5083強度・耐食性が高くて成形・溶接に適する。
電子機器カバーA3003、A5052成形性と耐食性のバランスがよい。
看板・サインA1100、A5052耐候性が求められるため耐食合金が向いている。
食品・厨房機器A1050、A3003(食品衛生対応)無毒性・耐食性重視。アルマイト処理品も多い。

1mmのアルミ板の製造工程

1mm厚のアルミ板は、熱間および冷間圧延を組み合わせて製造・圧延されます。

鋳造(インゴット製造)

アルミ地金または再生アルミを溶解して、鋳型に流し込んでインゴットをつくります。

熱間圧延

600℃前後に加熱されたインゴットを粗圧延機で数mmの厚さまで圧延します。

冷間圧延

常温下でさらに圧延(冷間圧延)して、精密な1mm厚に仕上げます。この工程で寸法精度・表面性状が決定されます。

焼鈍処理

必要に応じて、加工硬化を除去して、板の軟化と均一な結晶構造を得るために加熱処理をします。

スリット・シャーリング

出荷前に指定サイズにカットやスリット加工をして、製品として梱包し出荷します。

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