店売りアルミニウム圧延品について2025年~2026年の価格やアルミの値段の仕組みを解説

アルミ板 解説

アルミ圧延品の定義から価格の決まり方、直近の価格趨勢(2025年)、2026年の見通し、そしてアルミスクラップとの関係まで、マーケットの背景などを詳しく解説します。

アルミニウム圧延品とは?

アルミニウム圧延品とは、アルミニウム地金(インゴットやビレット)を圧延機(ロール)で引き延ばし、板・シート・プレート・箔・押出材などの形状に加工した二次材(半仕上げ材)です。

板・シート・プレートとは、平たい形状で建材、自動車、機械部品に使用します。箔(ホイル)は非常に薄い箔で包装材・電気機器用などに使われます。押出材は、断面形状が一定の部材(サッシ、フレームなど)です。

圧延品は一次素材のアルミニウム地金を加工した中間材料であり、完成製品(自動車外装、家電、缶材など)に使われます。

このようにアルミニウムの塊(スラブ)を回転するロールの間に通して、圧力をかけて板状や箔状に薄く伸ばした製品のことで、大きく分けて「板(厚板・薄板)」と「箔」、そして円柱状のビレットを押し出した「押出製品(形材・管)」などを含めた総称として使われることもあります。

「店売り」アルミ圧延品とは

「店売り」とは一般に、商社や問屋など流通業者から標準規格品として市場で売買される圧延品を指します。特注加工とは区別され、在庫として流通している規格材がほとんどです。

アルミニウムの流通には、大きく分けて2つのルートがあります。

紐付き(直接取引)

自動車メーカーや飲料缶メーカーなど、大口需要家がメーカー(UACJや神戸製鋼所など)から直接、または特定の商社経由で大量に購入する形態。

店売り(市中流通)

中小規模の加工業者や建設現場向けに、非鉄金属商社や特約店(問屋)が在庫を持ち、小ロットで販売する形態です。

「店売り」は多品種・小ロット・短納期に対応するのが特徴で、私たちが目にするアルミ板やアングル、チャンネルなどの多くはこのルートを通っています。

圧延品の価格はどうやって決まるのか?

アルミ圧延品の販売価格は、産業的には大きく3つの要素で構成されています。

基本となる原材料(地金)価格

圧延品の原料となるのはアルミニウム地金です。地金価格は国際商品市場で取引されるロンドン金属取引所(LME)アルミニウム価格を基準にしています。

LMEでの価格はドル/トンで形成され、世界の需給、投資需要、為替、エネルギーコストなどに影響されます。

日本などの輸入市場では、LME価格+プレミアム(輸送費、保険、港到着後の費用など)を円に換算した価格がベースになります。

製造コスト(ロールマージン・加工賃)

圧延メーカーが地金を仕入れて、それを圧延・仕上げするコスト(加工費・ロールマージン)が、圧延品の価格に上乗せされます。このマージンは市場環境、設備稼働率、エネルギーコストなどで変動します。

需給・市場条件プレミアム

特定用途の需要や季節的な需給ひっ迫などによって、地域ごとの供給状況を反映した「プレミアム価格」が成立することがあります。たとえば、日本向けプレミアムや特定グレードの需要増などです。これらは取引交渉や需給逼迫で上下します。

まとめ

店売りアルミ圧延品の価格は、主に以下の計算式(フォーミュラ)で構成されます。

製品価格 =(LME地金相場 + 対日プレミアム)Ⅹ 為替レート + ロール加工賃(加工費)

LME地金価格は、ロンドン金属取引所(LME)での国際取引価格で、対日プレミアム(MJP)とは、日本への輸送費や手数料を上乗せした上積み幅です。四半期ごとに更新されます。

為替では、円安になれば輸入地金コストが上がり、製品価格も上昇します。

加工賃(ロールマージン)は、アルミメーカーが製品にするためのコストですが、近年、エネルギー価格や人件費の高騰により、この部分の値上げ(サーチャージ導入など)が頻繁に行われています。

2025年の価格趨勢

2025年は、中国の景気刺激策への期待と、電力供給制約による供給不安からLME相場が底堅く推移しました。国内では、円安傾向が続いたことで地金価格が高止まりし、店売り市場でも高値圏での推移となりました。

国際アルミ相場

2025~2026にかけて、国際市況ではアルミ価格が2026年初頭に約3,000ドル/トン台へと上昇したという報道が出ています。これは2022年以来の高水準で、供給不安や需要継続強さが背景です。

日本国内の動き

企業物価指数ベースでは、2025年秋時点で圧延製品の価格指数が前年同月比で上昇傾向にあり、高止まりしています。

出荷動向

2025年は出荷量にばらつきがあり、「増加した月」もあれば「前年割れの月」もあります。例えば建設・自動車向けで伸びが見られた月もある一方で、缶・電機向けなどで減少した月もあります。

まとめると、2025年は原料価格の上昇圧力が継続する中で、需要分野にばらつきがある年となりました。

2026年の価格見通し

2026年の市況見通しは、いくつかの業界コンセンサスが出ています:

国際アルミ価格

一部の市場コメントでは2026年前半にアルミ価格が3,250ドル/トン程度まで強含む可能性が指摘されています。

需給

世界的に主要生産国での供給制約(中国の生産抑制や電力制約、アフリカの製錬休止等)が懸念されており、これが価格を下支えすると見られています。

一方で、為替や需要サイクル(特に中国・欧米の経済動向)が弱まる局面では価格鈍化リスクもあります。

アルミスクラップとの関係

スクラップ価格の決まり方

アルミスクラップの値段は、LME価格を参照したパーセンテージ方式で決められることが多く(LME価格×%)、品質(合金種・不純物レベル)、供給条件、地域差等により変動します。

原料価格との連動性

スクラップ価格は一次地金相場と強く連動します。地金価格が高くなるとスクラップの価値も上がり、逆に相場下落期はスクラップ価格も押し下げられがちです。

役割の違い

一次アルミ(新地金)はボーキサイト精錬からの生産で高純度かつコストが高いですが、スクラップ(リサイクル地金)はエネルギーコストが低く環境配慮型だが、品質等級により価格が変わります。

スクラップ市場が活発な地域では、こうした再生資源の供給状況も圧延品価格の需給バランスに影響を与えます。

2025年 LMEアルミニウム価格

ロンドン金属取引所(LME)のアルミニウム地金の月次平均価格(USD/トン)の代表値です。一次素材価格として、圧延品価格の基礎になります。

LME アルミ平均価格(USD/トン)
2025年1月2,573.40
2025年2月2,657.60
2025年3月2,658.29
2025年4月2,371.60
2025年5月2,448.79
2025年6月2,525.96
2025年7月2,606.37
2025年8月2,597.34
2025年9月2,653.32
2025年10月2,793.09
2025年11月2,819.06
2025年12月2,875.53

2025年前半にやや値を下げる局面(4月)もありましたが、後半にかけて上昇トレンドになっています。

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