オーブン、電子レンジ、炊飯器でアルミホイルを使っても大丈夫かという疑問にお答えします。アルミホイルの特性を理解し、正しい使い方をすれば、安全に利用できます。
アルミニウムの溶ける温度
融点(溶ける温度)
純アルミニウムの融点は約660度です。市販のアルミホイル、アルミ箔は純度や合金の影響でわずかに変わることがありますが、概ね同じような温度です。
一般家庭のオーブンや電子レンジ、炊飯器の通常の使用であれば、融点よりかなり低いのでアルミホイルが溶ける心配はほとんどないとされていますが、加熱の仕方や機器類との接触の状態によって発火や機器の損傷などの危険性があります。
家庭用のオーブンや炊飯器はもちろん、電子レンジの内部もこの温度には達しないため、「アルミが溶ける」心配はほとんどありません。
しかし、加熱の仕方や機器との接触状態によっては発火や損傷の危険があるため、使い方には注意が必要です。
オーブンやトースターの場合
安全ですが、使い方に注意が必要です。
家庭用オーブン(対流式/電気)
通常の焼き温度(100~250℃)ではアルミの融点の660℃にはならないので、アルミホイルが溶けることはありません。
ただし、棒状などのヒーターである発熱体やバーナーに直接接触させないことが重要です。接触すると熱が集中して、器具を傷めたり、食材が焦げることになります。
熱循環を妨げないようにします。天板や底を全面的に覆ってしまうと空気の流れが阻害され、加熱ムラや温度センサーの誤作動を招くことがあります。
また、グリル(上火)の近くに置く場合は、焼き網やトレーを使って直接、火元に接触しないようにします。
トースター/トースターオーブン
小型のヒーターと近接するので、底にアルミを敷いてヒーターに触れないようにします。
なお、底にアルミを貼ると落ちたパンくずなどが落ちて発火のリスクやヒーターの損傷につながることがありますので注意が必要です。
電子レンジの場合
電子レンジはマイクロ波を使って食品中の水分を振動させ加熱します。金属はマイクロ波を反射して、電流が流れ、火花(アーク放電)が発生することがあります。危険ですからアルミホイルは使わないようにします。
鋭利な角やしわのあるアルミホイルは電界が集中しやすく、火花や火災の原因になります。
炊飯器の場合
炊飯器の加熱は底面のヒーターで内釜を直接加熱して内部の温度・蒸気で炊き上げます。
内釜と加熱プレートの間にアルミをはさむと熱伝導や温度検知に影響して、炊きムラや故障(過熱)になることがあります。
食材をアルミホイルで包んで内釜に入れて蒸す場合は短時間で少量なら実用的ですが、内釜を傷つけないように注意します。内釜の底に直接アルミを敷くのは避けます。
屋外のキャンプで使う場合
キャンプ料理でのアルミホイルは便利ですが注意が必要です。
焚き火の中心部に長時間直接入れるのは注意が必要です。木炭や白熱した赤熱部分は温度が高いので避けておいたほうがよいでしょう。
まとめ
- 機器類でのアルミホイルの使用注意点をまとめておきます。
- アルミの融点は660℃、家庭調理では溶けないが「使い方次第で危険」
- オーブン・トースター:ヒーターや直火に触れさせない、底全体を覆わない
- 電子レンジ:原則禁止、例外はメーカー指示がある場合のみ
- 炊飯器:内釜の下に敷かない。包み蒸しは短時間・少量で
- キャンプ:熾火や弱火で使う。酸性食品を長時間包まない
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