アルミのパイプは高い加工性もあり、切断、曲げ、溶接、穴あけなどの加工が容易に行えるために、設計の自由度が高くて、複雑な形状や組み立てが必要な場合などに適しています。
熱伝導性や電気伝導性も優れており、熱交換器や電線管などで利用されています。
アルミのパイプとは
アルミニウムのパイプ(アルミ管)は、アルミニウムを材料とした中空のパイプで、建築・自動車・機械・家具・配管などさまざまな分野で使われています。
軽量で耐食性が高くて熱伝導性・加工性にも優れているためさまざまな分野で使われています。
パイプは大きく分けて丸パイプ(円管)と角パイプ(角管)があります。用途によって、強度、見た目、接合しやすさなどの特性が求められ、それに応じた規格・サイズが定められています。
パイプの製造工程
押出成形
アルミパイプは、圧延メーカーで押出製造でつくられます。加熱した円筒状のアルミビレットを金型に押し出して成形する方法でつくられます。
1.アルミビレットを加熱します(450~500℃)
- 金型に押し出して、パイプ状に成形します。
- 冷却 → 矯正 → 切断 → 焼鈍
引抜き加工
寸法精度や表面の精度が求められる場合は、引抜き加工で圧延されます。引き抜きとは押出後のパイプをさらに金型に通して引き伸ばすことで、内外径や肉厚を正確に調整できます。
丸パイプの規格
丸パイプ(円管)は、外径(φ)、肉厚(t)、長さ(L)で規格化されています。国内ではJIS(日本産業規格)H4080「押出形アルミニウム管」に準拠する製品が多くなっています。
代表的な規格例(JIS H4080)
外径(mm) | 肉厚(mm) | 備考 |
---|---|---|
φ10 | 1.0 | 軽構造や配管に使用 |
φ25 | 2.0 | フレーム材によく使用 |
φ50 | 3.0 | 強度を必要とする用途に |
上記は一例で、φ6?φ200以上まで多種多様に展開。必要に応じて寸法公差も指定可能です。
角パイプの規格
角パイプ、角管は、断面が四角形、正方形または長方形のアルミパイプです。構造体やフレーム材に用いられて接合や取り付けがしやすい形状になっています。
JIS H4100(押出形アルミニウム合金形材)や、圧延メーカーの規格による製造がされています。
規格例(単位:mm)
一辺(または幅×高さ) | 肉厚 | 用途例 |
---|---|---|
20×20 | 1.5 | 軽量フレーム |
40×20 | 2.0 | 作業台・構造体 |
50×50 | 3.0 | 看板支柱や架台 |
角パイプも丸パイプも、標準で4,000mmや6,000mmが多いですが、用途に応じて市中の問屋などで切り売りもされています。
パイプの値段
アルミパイプの価格は寸法(外径・肉厚・長さ)が大きく、厚くて長いほど値段はあがります。一本当たりの単重が増えるためです。表面処理、アルマイトをすれば、増値がつきます。
少量や小口であれば割高になり、数量がまとまれば安くなることもあります。アルミ地金の価格によって値段は変わってきます。
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