アルミの比重と強度についてアルミは軽く強くて熱をよく伝えます

アルミは軽くて強い 解説

アルミニウムは一言で言えば「軽く、強くて熱をよく伝えます」
この性質で、エアコン、自動車、航空機、電車などによく使われています。

比重とは

比重とは、ある物質の密度を水の密度で割った値で水に比べて重いのか軽いのかを示しています。

水の密度を1として、比重が1より大きければその水より重く、1未満であれば軽いことになります。

1立方センチメートルのアルミは2.7グラムの質量があります。水の2.7倍の重さということで、水に沈みます。

アルミの比重は約2.7ですが、アルミが水よりも2.7倍重いことを示しています。

比重は素材の密度であり、密度が高いほど強度や耐久性が高い傾向にあります。

ステンレス:比重は約7.8
真鍮:比重は約8.4~8.7
ガラス:比重は約2.5

比重は、体積あたりの質量を示す値です。質量/体積で表されて単位はグラム毎立方センチメートル(g/cm3)またはキログラム毎立方メートル(kg/m3)です。

比重1は水を基準にしているために1立方センチメートルの水の質量が1グラム、1g/cm3、1000 kg/m3となります。比重の基準は1気圧・4℃です。

比重が1であれば水と同じ密度ということになります。比重が1より大きい場合は、水よりも重いので水に沈みます。比重が1より小さい場合は、水よりも軽いので水に浮きます。

アルミニウムの比重は2.7です。2.7g/cm3です。鉄(7.8g/cm3)、銅(8.9g/cm3)となります。

アルミニウム合金の場合はアルミ以外にアルミより軽いマグネシウムなどが添加されますので実際のアルミより軽くなっています。

アルミニウムの種類ごとの比重

1000系 (純アルミニウム) 2.71g/cm3
2000系 (銅含有) 2.78 ~ 2.85g/cm3
3000系 (マンガン含有) 2.73 ~ 2.80g/cm3
4000系 (シリコン含有) 2.65 ~ 2.76g/cm3
5000系 (マグネシウム含有) 2.65 ~ 2.70g/cm3
6000系 (マグネシウム、シリコン含有) 2.70 ~ 2.80g/cm3
7000系 (亜鉛含有) 2.80 ~ 2.95

A2017とA5052の違いについて強度、耐食性、切削加工性及び溶接性

アルミは強い

アルミは比強度(単位重量当りの強度)が大きいので輸送関係や建築関係の構造材料として使われています。

純アルミの引張強さはあまり大きくありませんが1000系の純アルミを使う場合を除いては、マグネシウム、マンガン、銅、けい素、亜鉛などの添加物を加えて圧延加工して熱処理をして強度を高めています。

アルミは合金として他の元素を加えて強度を高めることができます。アルミに銅、マグネシウム、シリコン、亜鉛などを加えると、ジュラルミンや7075アルミ合金などの強度が高い合金ができます。強度の必要な航空機や自動車などで使用されています。

アルミを強くする方法

合金化

他の元素を添加することで、アルミの分子構造が強化されて耐久性が向上します。合金化によりアルミの柔らかさが改善され、機械的強度が高まります。

焼き入れと熱処理

アルミ合金を加熱してから急冷することで結晶構造が安定化され、より高い強度を得ることができます。これは析出硬化とも呼ばれていて航空機材や高強度が求められる部材で用いられます。

冷間加工

冷間圧延などの加工によって材料内の結晶構造を変形させて強度を向上させます。圧延や引き抜きといった冷間加工によってアルミ合金の硬度と強度を高めます。

アルミの熱伝導

電気伝導率は銅の約60%ですが、比重が約1/3であるため、同じ重量のアルミニウムと銅を比較した場合には、アルミニウムの方が約2倍の電流を流すことができます。

熱伝導率は鉄の約3倍で、鍋などの日用品、冷暖房装置、エンジン部品、各種の熱交換器などに使用されています。

アルミの重量計算

アルミニウムの重量を計算する際は、単位の変換に特に注意が必要です。基本的な公式は以下の通りです

重量 = 比重 × 厚さ × 幅 × 長さ

比重:アルミニウムの場合、一般的に約2.7(単位なし)

コメント