アルミのフラットバーについて用途、材質、規格や価格の相場を解説

アルミ板 解説

アルミのフラットバーについて、産業別用途、主要なアルミの材質、フラットバーの規格、価格相場、購入先(商社・問屋など)、販売ロット(ひも付き、小口・少量)などを詳しく解説します。

アルミのフラットバーとは

アルミのフラットバーとは、長方形の断面を持つアルミニウム製の棒材のことです。押出成形や圧延によって製造されて軽量で耐食性に優れた特徴を持ちます。

厚みや幅の種類が豊富で、加工が簡単なために多くの分野で利用されています。

平角棒とも呼ばれており、形状からいろいろな用途に使われています。押出成形や圧延によって製造されています。

押し出し加工

高温に熱したアルミニウム合金を、四角の断面を持つ金型であるダイスにところてん方式で押し出すことによってプレス機で製造されます。

圧延

アルミニウムの塊をローラーで挟み込んで、圧力をかけながら引き延ばすことで板状や棒状に成形します。大きなサイズの製品や、高い強度を持つ製品の製造に採用されています。

なお、表面処理をすることで、耐食性や意匠性を向上させることもできます。

A2017とA5052の違いについて強度、耐食性、切削加工性及び溶接性

アルミのフラットバーの用途

アルミニウムのフラットバーは、特性である軽量性と耐食性によって、いろいろな用途に使用されています。

  • アルミのフラットバーの使用用途は次のとおりです。
    • 建築・内装:手すり、窓枠、フレーム材、ドア枠などの構造材
    • 機械部品:アルミ構造のフレームや補強材、フレーム、ブラケット、治具、金型部品
    • DIY・工芸:家具、看板の枠や装飾材料
    • 自動車・船舶:軽量化のための補強部材
    • 電気・電子機器:放熱板やシャーシ部分、筐体、フレーム

アルミのフラットバーの材質

アルミフラットバーにはさまざまな合金が使われます。主な種類とその特徴は以下の通りです。

A1000系(純アルミニウム)

純度が高く、耐食性、溶接性、加工性に優れる。強度は低いが、電気伝導性、熱伝導性が優れている。装飾材、放熱材、電気部品など

A5000系(Al-Mg系合金)

中程度の強度を持ち、耐食性、溶接性に優れています。比較的加工性も良好。船舶、車両、建築材、溶接構造物など

A6000系(Al-Mg-Si系合金)

押出性に優れていて複雑な形状の製品に適する。熱処理によって強度を高めることができる。耐食性も良好。建築用サッシ、構造材、自動車部品、鉄道車両など

よく使われるのはA6063材です。押出性に優れて、表面処理後の外観も美しいので、建築用途や装飾用途によく使われています

材質を示す記号の後には、熱処理の状態を示す記号T(A6063-T5やA6063-T6など)が付きます。

T5: 押出成形後、高温加工から冷却し、その後人工時効硬化処理を行ったもの
T6: 押出成形後、溶体化処理を行い、その後人工時効硬化処理を行ったもの。T5よりも強度が高くなります。

A7000系(Al-Zn-Mg系合金)

高い強度を持ち、航空機材料やスポーツ用品などに使われる。耐食性はやや劣る。航空機、ロケット、スポーツ用品、高強度構造材など

4.アルミのフラットバーの規格

アルミフラットバーの規格は、厚み・幅・長さの組み合わせによります。

  • 一般的な規格は次のとおりです。
    • 厚み:1mm~20mm程度
    • 幅:10mm~200mm程度
    • 長さ:通常は2m~4m

JIS(日本工業規格)規格や、海外規格(ASTM、EN規格)に準拠したものもあります。JIS規格では、材質、寸法、許容差、試験方法などが細かく規定されています。

JIS H4040「アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材」やJIS H4000「アルミニウム及びアルミニウム合金板並びに条」などが関連する規格となります。

規格を確認すれば製品の品質や寸法精度を保証することができます。構造部材や重要な機械部品、保安部品の場合は、規格に適合した製品が重要になります。

一般的なサイズは、厚みが3mm、5mm、10mmなど、幅が20mm、30mm、50mmなどがあります。長さは、通常4mや6mの定尺で販売されていることが多いですが切断販売に対応している販売店・問屋もあります。

アルミのフラットバーの値段の相場

アルミフラットバーの価格は、材質やサイズ、市場のアルミ相場によって変動します。

  • おおよそのアルミフラットバーの値段の目安は次のとおりです。
    • A1050(純アルミ):1,000円~2,500円/kg
    • A5052(耐食性合金):1,500円~3,500円/kg
    • A6061(高強度合金):2,000円~4,500円/kg
    • A7075(超々ジュラルミン):3,500円~7,000円/kg

アルミのフラットバーの購入先

アルミフラットバーは、以下のような場所で購入できます。

金属材料専門店・専門商社・アルミ問屋

品揃えが豊富で、切断対応も可能なところが多い。少量・小口でも買える可能性があります。様々な種類の材質やサイズのフラットバーを取り扱っています。切断加工などのサービスを提供している場合もあります。

ホームセンター

DIY用途向けの比較的小さなサイズのフラットバーを取り扱っていることが多いです。小規模なDIY向けに短尺品を販売、少量・小口でも購入できます。

オンラインショップ

規格品を手軽に注文可能、少量・小口でも買うことができます。ただし、現物を確認できないため、材質やサイズをよく確認する必要があります。

アルミ押出メーカー

大量購入向けです。ひも付きの販売先が多くて、少量・小口には対応していません

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