アルミニウムが溶ける温度や融点について、トースターでアルミホイル(アルミ箔)が燃えたり溶けたりしないか解説します。
アルミと温度
アルミニウムは比較的低い温度で熱を伝えやすい金属ですが、非常に高温でなければ溶けることはありません。
アルミは熱膨張率が高いために加熱すると変形しやすい特徴があります。トースターのような家庭用調理器具でどこまで温度が上がるのか、アルミがどのように反応するのかを詳しく解説します。
アルミの材質別の融点
アルミニウムの純度や合金の種類によって融点は異なります。
純アルミニウム(99% 以上)の場合は 約660度
アルミ合金(銅・マグネシウム・シリコンを含む) では約500度~650度
市販されているアルミホイルは、純度の高いアルミニウムを使用しており、融点は約660度となります。

その他の金属の融点
参考まで、他の金属の融点を紹介します。金属が溶ける温度(融点)は、金属の種類によって異なります。
- 代表的な金属の融点は次のとおりです。
- 鉄:1536度
- 銅:1085度
- 金:1064度
- 銀:962度
- ステンレス:1400~1500度(鉄の純度によって融点が異なる)
- 鋳鉄:1200度
- アルミ:660度
- カルシウム:842度
- クロム:1857度
トースターでアルミホイルは溶ける?
一般的な家庭用トースターの温度は 最高でも約250度程度であってアルミホイルの融点である660度にはなりませんので、 通常の使用でアルミホイルが溶けることはありません。
ただし、注意単点があります。
火花が発生する可能性があります。アルミホイルがトースターのヒーター部分に触れると、電流が流れてスパーク(火花)が出ることがあります。
食材や調味料の影響があります。酸や塩分が多い食品と直接触れると、アルミが化学反応を起こして劣化することがあります。
溶けなくても燃えることはあるのですか?
アルミホイル自体が燃えることはほぼありません。アルミニウムは金属なので、紙やプラスチックのように燃える、炎を上げて燃焼することはありませんが、次のような条件がそろうと、発火や火花が発生することがあります。
トースターのヒーター部分に触れた場合です。トースターの発熱体(電熱線)にアルミホイルが直接触れると、電流が流れてスパーク(火花)が飛ぶことがあります。これは「アーク放電」と呼ばれる現象で、短時間なら問題ありませんが、長時間続くとホイルが破れたり、最悪の場合は火災の原因になることもあります。
アーク放電とは、気体放電の一種で、電極間の気体に持続的に発生する放電現象です。アーク放電では、強い光と高い熱が発生します。
トースターでアルミホイルは溶けないようにするには?
アルミホイルを安全に使うためには、次の注意点を守りましょう。
ヒーター部分に触れさせないようにします。アルミホイルがヒーターに接触すると発火の原因になります。
アルミ箔をくしゃくしゃにせずに、できるだけ平らにしておきます。 シワが多いと突起部分に電流が集中しやすく、スパークしやすくなります。
直接食材に巻かないで、酸や塩分を避けるようにします。酢や醤油など酸性の調味料と触れると腐食しやすくなります。
オーブントースターの説明書を読んでおきます。メーカーや機種によってはアルミホイルの使用を推奨していない場合があります。
このように対策としては、アルミホイルがトースターのヒーター部分に触れないように注意します。
トースターでアルミホイルが溶けることはありませんが、使い方を誤るとスパークや変色などのトラブルが発生する可能性があります。適切な使い方を心がけて安全にアルミホイルを利用しましょう。
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