アルミ鍋と鉄鍋の違いについてアルミと鉄の比較で解説

アルミ鍋 解説

アルミ鍋と鉄鍋には、それぞれ異なる特性があって使用用途や調理方法に応じて選ぶとよいでしょう。

まず、鉄とアルミの基本的な性質を基にして、アルミ鍋と鉄鍋について解説します。

アルミニウムの性質

軽量性

アルミは非常に軽い金属で、比重(密度)は約2.7です。鉄の比重7.8と比較するとアルミは約1/3の重さとなり、とても軽い

耐腐食性

アルミは空気に触れて酸化されると表面に酸化アルミニウムの薄い保護層ができます。これがサビや腐食を防ぎます。実はアルミは錆びないのではなくて、表面に酸化膜が空気に触れるとできているのです。そのため、錆びないとされており、湿気や水に強い金属となっています。

熱伝導性と電気伝導性

アルミは熱を効率よく伝える性質があり、電気伝導率も高いです。銀や銅に次いで熱伝導が高い金属です。

鉄(スチール)の性質

重さ

鉄はアルミよりも重くて、比重は約7.8。重量が必要な用途に適しています。

硬さと強度

鉄は硬くて、非常に高い強度を持つ金属です。炭素やその他の金属を混ぜた合金(例:鋼鉄、ステンレス)をつくることで、さらに硬くしたり、特定の性能を高めたりできます。

錆び、腐食しやすい

鉄は酸化すると赤錆、酸化鉄が発生して金属をもろくします。ステンレス鋼や亜鉛メッキで腐食を防ぐことはできます。

アルミホイル

アルミ鍋の特徴

アルミの特性

軽量性:アルミは非常に軽い金属なので鍋の重量が軽いため、扱いやすくて特にたくさん調理する場合や鍋を持ち運びする場合に便利です。

熱伝導率:アルミは熱を効率よく伝えるので鍋全体が均一に温まりやすくなります。短時間で調理ができるので煮物や炒め物に適しています。熱しやすく、全体に均一に熱が伝わるので調理時間の短縮につながります。お湯を沸かすのも早い。

耐食性:表面が酸化被膜で保護されているため、サビにくいですが、酸性やアルカリ性の食品に長時間触れると腐食することもあります。

メリット

調理がスピーディー(熱伝導が良いため)。
軽量なので、扱いが楽。
鉄鍋に比べて一般的に安価で購入できます。

デメリット

耐久性にやや欠ける。衝撃に弱く、へこんだり変形したりしやすい。
鉄鍋やステンレス鍋に比べて柔らかく、傷つきやすいです。

保温性が低い
熱伝導が高い反面、冷めるのも早いため、煮込み料理などには不向き。
酸やアルカリに弱い。酸性やアルカリ性の食品を長時間保存すると、腐食する可能性があります。
酸性の食材(トマト、酢など)やアルカリ性(重曹を使った調理)には注意が必要。
IH調理器に対応していない場合がある: IH調理器で使用する場合は、底面にステンレスなどの素材を貼り付けたIH対応のアルミ鍋を選ぶ必要があります。

用途

短時間での調理(炒め物、湯沸かし)。
軽さが求められる場面(キャンプや業務用調理)。

鉄鍋の特徴

鉄の特性

重い:鉄鍋はアルミ鍋に比べて重く、扱いには力がいります

熱保持力が高い:熱伝導はアルミより遅いですが、一度温まると熱が長時間保たれるため、じっくりとする調理に向いています。

強靭性:耐久性が高くて適切に手入れをすれば寿命が長い

メリット

保温性が高い
ステーキなどの焼き物や煮込み料理に適しています。
使うほどに性能があがる。使い込むことで油がなじみ、焦げ付きにくくなります。
鉄鍋は油が馴染むことで、焦げ付きにくくなり、調理がしやすくなります。
鉄分を食事で補給できる
鉄鍋で調理することで、微量の鉄分が食品に溶け出し、鉄分摂取が期待できます。
IH調理器に対応: ほとんどの鉄鍋はIH調理器で使用できます。

デメリット

錆びやすい
使用後に水分を残すと錆びやすいため、手入れが重要です。
重い
持ち運びや扱いが大変。
熱伝導が遅い
加熱に時間がかかる。
最初のシーズニングが必要、使い始める前にシーズニング(油ならし)という作業が必要。

用途

高温が必要な料理(焼き物、炒め物)。
長時間煮込む料理(シチュー、煮込み料理)。
キッチンでの据え置き調理(重さが問題にならない場合)。

アルミ鍋は、軽さを活かして、茹でる、煮るなどの調理や、味噌汁やスープなどの汁物に向いています。

鉄鍋は、高温調理を活かして、炒め物、揚げ物、焼き物などに最適です。ステーキやハンバーグなどを美味しく焼き上げることができます。

コメント