アルミホイル(アルミ箔)とWi-Fiなどの電波について電波の遮断と電波の強化について解説します。
アルミホイルでWi-Fiなどの電波の遮断や強化はできるのでしょうか?また、どのような条件でそのような効果が出るのか、アルミ以外の材質ではどうなのか解説します。
アルミと電波について
アルミニウムは電気伝導性が高くて電波のような電磁波に対しても相互作用を起こします。電波は電場と磁場の振動なので、金属中の自由電子を振動させることで、エネルギーを吸収したり、反射したりします。
アルミホイルは薄い金属箔であるため、この性質を利用して電波に影響を与えることができます。

電波の遮断
アルミホイルは電波を遮断する効果があります。それは金属が電波の流れを導きやすいことや、電波を逆方向に反射させる性質によります。
電波がアルミホイルにぶつかると、表面で反射されるために遮断が起こります。高周波の電波ほど、遮断効果が高くなります。高周波の電波ほど波長が短くなってアルミホイルの表面で効率よく反射されるためです。
電波の遮断はどのような状態か?
電波を遮断するためには、アルミホイルで電波を完全に覆う必要があります。包むという方法が最も有効です。電波があらゆる方向から入るのを防ぐためです。一方で、アルミ板を置くだけでは、反射が一方向のみに限られ、遮断力が低下することがあります。
包まずに隙間がある場合は、そこから電波が漏れてしまうために効果が薄れてしまいます。
例えば、スマートフォンをアルミホイルで包む場合、完全に隙間なく包むことで、電話の電波を遮断することができます。
板状のアルミを置くだけでは、電波は回り込んでしまうため、完全な遮断は難しくなります。
電波の遮断とアルミの材質や厚みについて
アルミの材質は純度が高いほど、また厚みがあるほど遮断効果は高くなります。たとえば、1000系アルミであれば、効果が高くなります。
たとえば、家庭にあるアルミホイル程度の厚みであっても、ある程度の遮断効果はあります。ただし、やはり厚みが増すほど、反射する電波の量が増えるため、遮断効果が高まります。
1000系アルミニウムは、」純度99%以上の純アルミニウム系の材料です。 この系統の材料はアルミニウムの純度が高いので、加工性や放熱性、導電性に優れていますが、強度が低いので、構造材には適しません。 主に放熱板、家庭用品、送配電用材料等で使用されています。

電波の強化
アルミホイルは、電波を遮断するだけではなく、うまくやれば強化することもあります。これは、電波が金属面で反射され、それが別の方向に吸収されずに、結果として特定の方向に電波を集中させることができるためです。
たとえば、Wi-Fiルーターのアンテナの背後にアルミホイルを置くと、電波が特定の方向に集中して、通信範囲がその方向に強化される可能性はあります。
ただし、アルミホイルを使って電波を強化することは、一般的には困難とされています。電波を特定の方向に反射させて、受信感度を少しだけ向上させるということはありますが、劇的な効果は期待できません。アルミホイルの形状や配置によっては、逆に電波を弱めてしまう可能性もあります。
電波の強化はどのような状態か?
電波を強化するには、アルミホイルを「反射板」として使用する方法が一般的です。包むのではなく、一部の方向に電波を反射させる形で配置します。
電波を強化する目的でアルミホイルを使用する場合、パラボラアンテナのように、電波を一点に集める形状にすることが考えられます。
しかし、家庭用のアルミホイルで正確な形状をパラボラアンテナのようにするのは難しいので、効果は限定的になってしまいます。板状のアルミを特定の角度で配置することで、反射を利用して電波を誘導することは可能ですが、これも微弱な効果にしかなりません。
電波の強化とアルミの材質や厚みについて
電波の強化ということであれば、アルミの材質や厚みは遮断の場合ほど効果はありません。パラボラアンテナのようにするので、その形状と配置が重要になります。正しい形状を作ることができれば、ある程度の効果は期待できますが、家庭用のアルミホイルではかなり難しいと思われます。
アルミ以外の鉄やプラスチックの場合
鉄
鉄も電気伝導性が高くて、アルミと同じく電波を遮断する効果があります。鉄の方がアルミよりも比重が大きいので、同じ厚みでも遮断効果は高くなります。
プラスチック
プラスチックは電気を通さない絶縁体なので、電波を遮断する効果はほとんどありませんが、金属粉を混ぜた導電性プラスチックであれば、ある程度の遮断効果が期待できます。
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