アルミの曲げ加工は割れることが多く要注意です!アルミの曲げ方について

アルミ板 解説

アルミの曲げ加工は注意が必要です!曲げ加工の種類によっては、曲げ加工時に割れが発生します。

割れの原因と対処法などについて解説します。

アルミニウムの曲げ加工の方法

アルミ板などでは、曲げ加工が多く使用されていますが、曲げ加工の方法としては、ロール曲げ、板折り曲げ、ベンダー曲げの3つがあります。

ロール曲げ

ロール曲げは、複数のローラーの回転力によって、アルミ板を曲面形状に曲げる加工方法です。

ロールベンダーやベンディングローラーなどの専用の機械を使って行われて、アルミ板を金型に固定させる必要がありません。

ローラーとアルミ板の距離を変えることによって、曲げる形状をいろいろな形にすることができます。

板折り曲げ

アルミ板を直角に曲げたい場合など、箱型など四角に仕上げたい場合に行う曲げ方です。

ベンダー曲げ

ベンダー曲げは、プレス機であるベンダーブレーキを使って、金型に沿って加工する方法です。

  • ベンダー曲げの主な特徴は次のとおりです
    • 金型を使用して生産性を上げられる
    • V曲げやL曲げなどの多様な曲げ加工ができる
    • 加工スピードが速く大量生産ができる

ベンダー曲げでは、上型(パンチ)と下型(ダイ)の金型で加圧して加工します。金型の設計や組み合わせ方、圧力のかけ方によって、さまざまな曲げ方ができて、複雑な曲げもできます。

ベンダー曲げは、自動車のボディパーツや家電製品のケース、建築用の鋼材などで多く使われています。

ただし、厚みがあるアルミ板はベンダー曲げには向いていませんので注意が必要です。

アルミの曲げ加工で注意すべき「割れ」

アルミは曲げ加工で割れが発生しやすくなります。

圧延方向

圧延方向に対して平行に曲げると割れすくなります。

対策としては、圧延方向と直角に曲げ加工をしたほうが無難です。

曲げ幅

曲げ幅が小さいと、やはり曲げ部分がつぶれてしまって、割れやすくなります。

曲げ幅が板厚の8倍以下の曲げの場合は、割れやすくなると言われています。

スプリングバック

スプリングバックとは、曲げ加工などによって材料を曲げた後に荷重が除かれたときに、元に戻ろうとする現象のことです。

スプリングバックは、材料の特性や加工条件などいろいろな要素が絡み合って発生します。

曲げた場合、外側は引張られる力が、内側は圧縮される力が働きます。ニュートラルラインエリアという中央付近の引張りも圧縮の影響も小さい部分が元に戻ろうとするためにスプリングバックが発生します。

対策としてはスプリングバックを考慮して加える力を調整します。

コメント